毒親 親子 問題 影宮竜也 親子療法

第9回「いいかげん、殻を破りなさい」

前回から、私は”戦うことや成長しなければならないことを諦めた自分自身”に対して怒っていたことを知りました。 

 

自分の生き辛さを感じていたことのきっかけは親だったとしても、今の自分を作り上げたのは自分自身。

 

過去の自分の生き方を変えるには、自力で乗り越えるしかない。

自力で乗り越えるには、どうしたらよいのか。

生き方を変えるには、どうしたらよいのか。

 

悶々としている私を黙って眺めている影宮先生が、ぴしゃりと言いました。 

 

「たね子くん。いいかげん、殻を破りなさい」

 

その言葉にハッとした瞬間、新たな恐怖が生まれてきた。 

 

殻を破るって、私にはどんな殻があるのか。

破るには、どうしたらよいのか…

 

そういえば、私の頭の中では「どうしたらよいのか」フレーズが流れてばかりだった。 

 

きっとこれも、「どうすればいいのか教えてください」と人にすがってしまう依存心のもたらすセリフだろう。 

 

 殻を破る、殻を破る…

 

殻を破ることを考えてみて感じたのは、『これはきっと、方法論じゃないな』でした。

 

”正しい”方法論は無い。

 

在るのかもしれないけれど、思いつかない。

難しい本でも読めば書いてあるかもしれない。

でも、結局殻を破ることを諦めずに続けるのは自分次第。 

 

はっきり言うと、 難しいことは分からない。

今の複雑な心境を語るには、あまりにも知識とボキャブラリーが貧困すぎる。

 

幼児並の頭を使って考え抜いた結果、結論は

 

「今までと逆のことをやってみる」

 

でした。

 

 

今までだったら、途中で止めていたことを、とにかく最後まで持っていくよう頑張ってみる。

 

無理かもしれない、弱腰になりそうな時こそ飛び込んでみる。

 

自分流の「できる」方法を見つけていく。

 

バカと思われたっていいから、思ったことを言ってみる。

 

 

これらは、今まで怖くてできなかったことだ。

 

『私には無理』

『○○は苦手な私にとても出来ない』

 

実は、今まで自ら諦めてきたことは自分にとって結果はともかくチャレンジすべきであったことで、”チャンスを掴んだ”と思い込んでいたものは第二希望だったとしたら、何をやっても満足いく形にできないのは納得できるような気がした。

 

親に認められたくて、無理して完璧な人…いわゆる普通に問題なく暮らせている大人になりたいと思っていたけれど、私は残念ながらその資質は持ち合わせていなかったのです。

 

決して自己卑下ではありませんが、友人のこの一言がそれを実に明快に表現してくれていると思います。

 

『たね子はね、ご両親から”Windows”だと勘違いされて育てられてきたんだと思う。本当のたね子は”Mac”なのにね』

 

MacはMacだからできることを突き詰めていけばいいのでは?という友人の話に、妙に納得した私なのでした。

 

→第10回「禁止令を解除する言葉」

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