毒親 親子 問題 影宮竜也 親子療法

親子分離階層理論から紐解く抱える問題(階層別解説)


親子分離階層理論から紐解く抱える問題(階層別解説)

 

親子分離階層理論から紐解く、「親子問題で悩んでいる人の抱える問題」について解説をします。

親子分離階層理論

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第1階層 「不安」


この第1階層の心理状態にある人は次のような問題を抱えることがあり、

人生で迷いや不安を抱えやすい傾向にあります。

 

・自信が持てない

・物事の決断が苦手

・不安が強い

・他人の顔色が常に気になる

・チャレンジすることに強い不安がある

・メンタルの問題(うつ、不安障害)を抱えやすい(または抱えている)

・自分の気持ちよりも他人を優先してしまう

・いつも我慢をしている

 

第1階層の状態が長期間続くと不安や我慢による抑圧(ストレス)を抱えるようになり、環境の変化が引き金となってメンタルの問題(ウツ、パーソナリティ障害、強迫・不安障害etc)を引き起こす可能性があります。

 

第1階層の人の育った家庭環境

 

・親が支配的

・親の過剰な干渉

・親が精神的な病を抱えている

・親のどちらかが強い不安を抱えている

・親夫婦の関係が共依存状態にある

・家庭が機能不全

・子供にとって安らぎを感じる家庭ではない

・家族が家族の誰かの顔色を常にうかがっている

 

親の過剰な干渉が原因となって、(自己肯定感・判断力)の欠如などの問題を抱えるようになり、人生の様々な場面で問題を作り出すようになることがあります。

 

第1階層の人が職場で抱える問題

 

長年、親のコントロール下に置かれたことにより、自己肯定感の欠如や理由のない不安が常に湧き上がるようになり、精神的な問題を抱える傾向があります。また職場でもパワハラの被害や周囲とのコミュニケーションがうまくいかないことが原因となって、離職を繰り返すなどの問題を抱える人もいます。また同時にメンタルの問題を抱えることもあり、さらに(ひきこもり)などの問題に発展するケースもあります。

 

結婚について

 

第1階層の人が結婚した場合の問題については、親との関係が原因となって常に我慢をする癖が身についており、配偶者のDVやモラハラに中々気づけない人もいます。また自己肯定感の欠如が理由で、配偶者によるDVやモラハラをギリギリまで我慢してしまい、その結果としてメンタルに問題を抱えてしまうこともあります。

*世代間連鎖・共依存などの問題を家庭で抱えてしまう人の多くが第1階層の状態にある人たちです。

 

第2階層 「怒り」


親から肉体的・精神的暴力を受けたことが原因となって、怒りの感情に心を支配されている人の心理状態を指します。心の奥底に怒りの感情が抑え込まれており、またその怒りの感情を向けるべき相手(親)に向けることができないフラストレーション(抑圧)が原因となって、対人関係(職場、夫婦)でトラブルを常に抱えてしまう傾向にあります。

 

・本人は自覚していないが常にイライラしている印象を他人にもたれる

・自分より立場が弱い人を感情の捌け口にする

・大きな声で自分より弱い立場の人を恫喝することがある

・感情の起伏が激しい

・お酒を飲むと攻撃的になる

・突然、感情が爆発したりする。(キレる、泣き出す)

・外面は良いが家庭内では常に不愉快そうな態度で家族に接する

・常識やルールを持ち出して他者(家族)をコントロール下に置く

 

第2階層の(怒り)の心理状態にある人は、(怒り)の感情を心の奥底に抑え込んでいます。何らかのきっかけで、その怒りの感情に対するブレーキが無くなると、(突然キレる)などの行為につながることもあり、対人関係でもトラブルを抱えがちです。

 

第2階層の人の育った家庭環境

 

・家庭内でDVやモラハラ行為が容認されている

・否定されることが多い

・愚痴や不平不満が多い

・支配的

・独善的なルールを強制的に押し付けられる

・いつもイライラしている

・経済的な問題を抱えている(または親自身も育った環境で経済的な問題を抱えていた)

・親の夫婦仲が悪い

 

親に理不尽な要求を押し付けられたことで、怒りの感情を心に宿すようになり、その怒りの感情に人生を振り回されるようになります。

*安定した人生に不安を感じたり、平穏な毎日に満足できず、何らかの刺激を求めるなどの衝動性が湧き上がるので、(平穏で安定した人生)を手にした途端、無意識に問題を作り出しては、その平穏を手放す人もいます。(パワハラ、DVやモラハラ、家庭内での問題etc)

 

・第2階層 職場で抱える問題

自分よりも立場の弱い同僚や部下に対して、(感情的に叱る、無理な要求を押し付ける)などの行為が目立ち、パワハラ加害者として部下に煙たがられることがあり、職場で孤立する人も出てきます。

 

・結婚で抱える問題

親との関係で抱えた怒りを無自覚に家族に向けることがあり、配偶者や家族に対してDVやモラルハラスメントなどの行為を行う人もいます。第2階層の親がいる家庭では、子供の引きこもりや非行などの問題を抱えてしまう傾向があり、その子供の問題行為によって夫婦・家族間の関係がさらに悪化して、取り返しのつかない問題を引き起こすことがあります。(中高年の引きこもり、親子・無差別殺人事件の加害者etc)

 

第3階層 「悲しみ」


第1階層、第2階層を乗り越えて、(悲しみ)の心理状態になると自分自身の内面と向き合うことが増えるようになり、対人トラブルを抱えることが少なくなります。

 

・理由もなく孤独感に襲われて不安になる

・突然、過去の悲しいできごとが湧き上がり心が支配される

・親との関係を少しずつ客観的に眺めれるようになる

・親との関係で抱えた抑圧による怒りの感情を他人に向けることが少なくなり、

対人関係でのトラブルが少しずつ減少していく

・親に対する本当の気持ちに気づき一時的に感情の起伏が激しくなる

・親との間で適度な距離がとれるようになり、また親の本当の姿が見えることによって、

親に対する依存心が徐々に薄れて行くようになる

・それまで自身を取り巻いた人間関係に少しずつ変化が起こる

・親との関係に変化が起きるが、その変化に対応できない親との間で一時的にトラブルが発生する

 

第1階層、第2階層の段階を乗り越えることにより、(悲しみ)の感情に向き合うようになります。

(自分自身を知るスタート)悲しみの感情に向き合うことによって、親との関係や他者との関係にも少しずつ変化が見られ、それまで抱えていた対人関係のトラブルも少しずつ減少して行くでしょう。一時的に精神的な落ち込みや過去を手放すことに対する不安を感じることもありますが、あくまでも一時的なもので時間が解決してくれます。

 

第4階層 「癒し(慈しみ)」


第3階層を乗り越えると随分と精神的に落ち着いてくるようになります。怒りや悲しみに心を奪われることが少なくなり、過去の様々なできごとを客観的に受け止めることができるようになるでしょう。この階層の心理状態になると、親や他者に感情的になることも無くなり、不必要な対人トラブルに巻き込まれることも随分と少なくなるでしょう。また雰囲気にも落ち着きが見えるようになり、第1階層から第3階層の時には出会うことの無かった人と出会うこともあります。辛い時期(第1階層〜3階層)を乗り越えたことによる報酬(自信・勇気・決断力etc)を実感できるのもこの階層の心理状態の特徴でもあります。

 

・過去の傷との決別

・親に対する怒りや憎しみを手放す

・少しずつ自分自身の気持ちを感じれるようになる

・過去を客観的に受け止めることができるようになる

・不当に介入してくる人(モラハラ加害者)を見抜くことができるようになる

・過去に抱えていた苦悩を忘れるようになる

・一人で過ごす時間を楽しめるようになる

・人にあまり干渉することが無くなる

 

親との関係で受けた傷も過去のものとなり、怒りや悲しみによって不安定になっていた精神状態も落ち着き、本当の意味での平穏な人生を手にするようになります。第4階層の心理状態になると、親の干渉や支配の正体がわかるようになり、関わり方にも大きな変化が出るようになるでしょう。また、親に対する罪悪感を感じることもなくなり、親の言葉や態度などの影響を受けないようになります。(自律した人生のスタート)また、対人関係にも大きな変化が表れて、(かけがえのない人)に出会う人もいます。(第4階層の大きな幸せの果実)他者(親)のコントロールから解放されて、ようやく自分の人生を自分の意志で生きることを実感するのもこの時期です。

 

親子分離階層理論について


この階層理論は、親子の精神的な分離についてのプロセスを段階的に解説したものです

 

第1階層について

 

親子問題を抱えている人の多くが第1階層の心理状態にあり(自覚している人が少ない)、長期的に親のコントロール下に置かれていることが原因となって、人生そして心に様々な問題を抱えてしまうこともあります。

 

第2階層について

 

過去の親との関係が原因で心に怒りを抱えてしまった心理状態にあり、その怒りの感情が正常に消化されないことが原因となって、人生に於いて様々なトラブルを抱えることもあります。

 

第3階層について

 

不安や怒りに心が支配されて心理的にとても辛い時期でもあります。ただし、その辛い状態も一時的なもので、それまで抱えてきた自身の本当の気持ちに気づく大切な時期とも言えるでしょう。この時期を、(自分と向き合う時間)にできた人は自然に親の支配から抜け出し、次第に自己肯定感や自信を取り戻すようになります。また、(悲しみ)の感情をきちんと受け止めることによって、親との関係で受けた心の傷を解消する(カタルシス効果)ことにもなり、親との精神的分離を行う上でとても重要な時期とも言えます。

 

第4階層について

不安や怒りそして悲しみを乗り越えたことによって、親との関係で一時的に失ってしまった自信や自己肯定感を取り戻すようになるのがこの階層です。(自信は他人の評価で得るものではない)、(自信があるとはどういった状態なのか?)を知るようにもなり、それまでの人生が嘘のように行動が活発化していくこともあります。(趣味、仕事、対人関係etc)また親との関係で受けた過去の心の傷に対するこだわりが消えていき、親との関係にも大きな変化が見られます。(親であっても幸せになる邪魔をするのであれば、それまでの関係を見直す)これまで親や他人のことを気にしながら行動していたことに気づきはじめたことが理由で、親や他者のことよりも自分自身の気持ちを優先して行動することができるようになります。(行動する際に親や他者の許可を必要としなくなる)自律した人生とは何かを少しずつ理解することもできるようになり、不安や迷いが人生に於いて随分と少なくなるでしょう。(メンタルの問題も随分と解消して行きます)

 

分離階層理論の活用について


以下の視点から、この分離階層理論を活用することで自身の親子関係や心理状態を客観的に知ることができるようになります。

 

・自分の心理状態がどのような状態にあるのか?

・親はどの階層の心理状態にあるのか?

・自身と親の関係が修復可能な関係なのかどうか?

・自身が抱える悩みの発生原因はどこにあるのか?

 

この分離階層理論を理解することで、自身の心の問題だけでなく、親(家族)との関係の見直しの指標として活用することもできます。

 

(例)

 

・子供が第4階層、親が第1階層の場合

 

第4階層の子供は第1階層の親の抱える不安を、(親自身が妄想して作り出した不安)であることを理解することができますが、第1階層の心理状態の親は第4階層の子供の世界を理解できないので、(自分自身で不安を作り出している)ことに気づくことができません。そんな親にいくら不安心理について説明をしても親は第1階層にいるので理解することができないので互いに話や考え方がかみ合わなくなり、距離を取るようになります。(精神的分離)

 

・子供が第2階層、親が第1階層の場合

 

第2階層の心理状態にある子供が第1階層の親に対して、「私のあなたに対する怒りを受け止めろ」と要求することがあります。しかし、第1階層の親は第2階層の子供の気持ちを理解することができません。なぜなら、第1階層の親は自身の親に怒りをぶつけることを禁止している人だからです。自身が禁止している行為を子供に認めることはできません。つまり第1階層の親が自身の親に対する正当な気持ちを受け止めない限り、第2階層の子供の要求を受け入れることは難しでしょう。

 

子供の引きこもりや非行問題について


最近、メディアで話題になっている子供の引きこもりや非行などの問題の背景には、親の精神的な未熟さが原因となっているケースもあります。

 

 

(例)

 

親が第1階層の精神状態にある場合

 

親自身が第1階層の心理状態の場合は、その子供も親と同様に強い不安や自己肯定感の欠如などの心理的問題を抱えるようになります。なぜなら、第1階層の心理状態の親がその子供を育てたことが大きな原因になっているからです。多くの親は、自身が第1階層の精神状態にあるにも関わらず、自身の子供には第5階層の心理状態を求める傾向にあります。第1階層の親が子供を育てると、子供も第1階層から人生をスタートすることになります。(世代間連鎖)その結果、子供自身も強い不安を抱えるようになり、ひきこもりや非行問題などを引き起こすこともあります。まずひきこもりや非行問題で悩んでいる親御さんが行うべきことは、子供に自律を求める前に親自身が自律することとは何か?を知ることです。親自身が自律することの大切さを知れば、その大切さを親の言葉で子供に伝えることができます。子供はその親の背中を見て、自分なりに人生について色々と考えるようになるでしょう。(成人したお子さんをお持ちの親御さんの場合は、親子で協力して自律の大切さを共有する)それまで共有することのできなかった親子の絆の再構築をすることで、次第にお子さんの問題行動も解消されて行くようになります。

 

カウンセリングの必要性について


上記の階層理論で第1〜3階層に該当する心理状態にある人が、自身の力だけで親子問題を解決するのはかなり難しいと言えます。

 

理由

・自身を客観的に分析することは難しい

・親のコントロール下にある段階では親の本当の姿に気づくことができない

・親のコントロール下にある人は自身の感情よりも親の感情を優先する傾向にある

・親から長い時間かけて刷り込まれた様々な思考の癖の存在に気づいていない

・そもそも自身の抱える本当の問題に気づける人は少ない

 

カウンセリングの利点

 

・自身では気づくことのできない自身の抱える問題の指摘

・親の抱える様々な問題を他者視点からの客観的な指摘

・専門家の幅広い知識や経験を踏まえたアドバイス

 

親子問題は長く抱えれば抱えるほど解決が難しくなり、またその悪影響を多く受けることにもつながります。どんなに一人で悩んでも解決することもありません。インターネットでも様々な解決方法のような話がありますが、そのほとんどが個人的な体験でしかないので注意が必要です。親子問題に精通した専門家のアドバイスを受けられることをお勧めします。

 

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