毒親 親子 問題 影宮竜也 親子療法

もつれた感情を紐解く

もつれた感情を紐解く

 

私のカウンセリングで特に重要視していることがあります。

それは、

 

「もつれた感情を丁寧に紐解いて行くこと」

 

です。

 

実は以前、こんなことがありました。

次女が、

 

「嫌な気持ちが残ってモヤモヤする」

 

と私に訴えかけてきました。

私は、

 

「その嫌な気持ちとはなに?」

 

と次女に尋ねると、

 

「前に、お父さんからお風呂掃除をしなさいって言われて、嫌な気分のままお風呂の掃除をしたことで何だかモヤモヤが残っている」

 

私は次女の心のモヤモヤを解消するべく話を続けました。

 

「あーあの時のことね。じゃあ、どうして風呂掃除をしなければならなかったのか、今から一つずつ過去に遡ってみようね」

 

私は風呂掃除までの経緯について次女にいくつかの質問を行いました。

 

(1)どうしてお風呂掃除をお父さんがするように指示したのかを覚えている?

 

(次女)「覚えていない」

 

2)お父さんの記憶では、(約束を何度か守らなかった)ことがその時にあったような気がするんだけど、そのことは覚えている?

 

(次女)「う〜ん。そんなことがあったような」

 

3) あの時は、外で遊んで家に帰る時間を何度か守れなかったことがあったと思うんだ。近くの公園で○○ちゃんと遊んだ時とか小学校のグランドで鬼ごっこをして遊んだ時のことだと思うけど。

 

(次女)そう言えば、あの時に約束を守れなかったことで怒られたことがあった。

 

(3)お父さんとの約束を破ったことで怒られたよね。その時にあなたがお父さんにこう言ったのを覚えている?

 

(次女)えっと……あ、お風呂掃除を1週間するって自分から約束した!

 

(4)よく思い出したね。そうあのお風呂掃除はあなたが自分で決めて約束したことだったんだよ。それと意地悪をもう一つ。1週間の約束だったけど、お風呂掃除をやったのは3日間だったんだよ〜!そのことは覚えている?

 

(次女) (バツが悪そうな顔をして)うん。覚えている。だって嫌でしょうがなかったんだもん。

 

(5)今の気持ちはどんな感じ?少しはすっきりした?

 

(次女)お風呂掃除を命令されたのが嫌だったと思ってたけど、自分で決めて約束したことを思い出して、少し恥ずかしくなってきた。お父さんのせいにしてごめんなさい。

 

(6)モヤモヤの原因がわかってよかったね。スッキリしたところで、お風呂もスッキリしましょうね。では今日のお風呂の掃除当番よろしくね〜!

 

(次女)(すっきりした顔)うん、わかった。じゃあ、今から洗ってきます。

 

まぁ、我が家の些細な日常の出来事の一つではありますが、私と娘とのやり取りを見ていた我が家の奥様がこんなことを言っていました。

 

(奥様) 

ちゃんと話を聞くって大切なことなのね。実は、さっきのお風呂の掃除のことはずっとモヤモヤしていたみたい。(お父さんに無理やりお風呂掃除を押し付けられた)って誤解していたのね。私はそれを知らなかったから、「言いたいことがあるなら、ちゃんと言葉でお父さんに伝えなさい」って背中を押してみたけど……返って良かったみたいね。でも子供って心の中にあるモヤモヤをきちんと紐解いてあげれば、あんなに表情が変わるものなのね。○○(次女)の姿を見ていて、自分の子供時代のことを思い出したんだけど、私はあんなふうに話を聞いてもらったことがなかったなぁ。だからいつも心の中で、(どうせ言ってもわかってくれない)って親に対していつの間にか思うようになってた。もし、子供の頃にきちんと話を聴いてもらえたら、もっと違った親子関係だったのかもしれないな。

 

「感情のひも解き」

 

これは子供だけではなく、大人にとっても必要なことではないかと私は考えています。もし、今回の出来事に対して私が頭ごなしに次女を抑え込むような態度で接していたら、私たちの親子関係はどうなっていたのでしょうか?

 

「約束をしたのは自分だというのを忘れたのか!」

「自分から言い出しておいてお父さんに八つ当たりするのか!」

「約束を破ったことを覚えていないのか!」

 

このような一方的な言葉で彼女を抑え込んでしまったら、彼女は更に心の中にモヤモヤを抱え込むようになり、私に対してより一層強い反発を抱え込むでしょう。その結果、彼女は思春期に何らかの問題を引き起こすことも考えられます。

*今回のことはあくまでも一つの事例ではありますが、些細な出来事であっても、その出来事を通じて不信感や理不尽などの感情が子供の心の中で積もってしまうと、親に対して信頼を持てなくなり、子供が成長するにつれて親に対して心を閉ざすようになることも考えられます。

 

親子の間でも互いに疑問を感じれば、

 

「親子が同じ目線に立ち、きちんと言葉にして伝える」

 

ことは非常に大切なことだと思います。

*毒親と呼ばれる親の多くがこれらのことを理解していません。

 

その日々の些細なできごとが積み重なることによって、親に対する信頼感が子供の中で育つのではないでしょうか。

 

親子の信頼構築で大事にすること

 

・親子関係の信頼は日々の積み重ねで構築される

・勘違いや誤解があったとしても口を挟まずに子供の話にきちんと耳を傾ける

・子供に勘違いや誤解があればそれはきちんと理解させる

・子供の心のモヤモヤはできるだけその場で解消してあげる

・子供に生意気なことを言われても、(ちゃんと成長している)と思って喜びましょう

・子供は自分の生きたいように生きています。親の思い通りにならないは当たり前です。

 

5月 東京勉強会 テーマ「心理ブレーキの解除」

 

「心のブレーキ」

 

あなたの心のモヤモヤは、あなたの心の中に存在している心理ブレーキが原因となっていることを理解していますか?

 

5月の東京勉強会では、

 

・心理ブレーキの正体

・心理ブレーキが引き越す様々な問題

・心理ブレーキの解除について

・心理ブレーキを解除するとどうなるのか?

 

などについて時間が許す限りお話をさせて頂きます。

詳細は以下の画像をクリックしてくださいね。

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