毒親 毒親情報 親子問題 影宮竜也

気づかなかった心の闇

気づかなかった心の闇(Fさん 35歳)

 

「夫婦関係が冷え切ってしまって離婚を考えています」

 

Fさんからご相談を受けました。

 

お話を伺ったところ、

 

・必要なこと以外会話は無い

・寝室は別々

・週末は子供を連れて自分の実家

・毎日、冷え切ったご飯がテーブルにあるだけ

・家は散らかっている(注意すると逆切れ)

 

まぁ、これでもか・・・・・・という愚痴が溢れてきました。

(辛いですね。世の中のお父様は)

 

「世の中のお父さんは多かれ少なかれ・・・・・・そんなものですよ」

 

とため息をつく男性陣も多いかもしれませんね。

しかし、Fさんは本当に疲れている様子でした。

 

そんなFさんのお話を一通り伺って、カードで分析を行いました。

分析結果です。(掲載許可を頂いております)

 

写真0903.JPG

 

セルフコミュニケーションスプレットでFさん自身を探ってみます。

Fさんに聞きました。

 

「幼少期から小学校までの間、お母様との間で覚えていることを聞かせて下さい」

 

すると、

 

「そうですね。正直、あまり覚えていませんが・・・・・・いつもイライラしていたような気がします。父と母はいつも喧嘩をしていましたから。父も酒癖が悪くてですね。お酒を飲むと愚痴を言い始めます。そんな父に対して、母も言い返すので、もうしょっちゅう口喧嘩です。私もいつからか、その光景に慣れました。後は・・・・・・」

 

私は彼の記憶を分析シートに書き綴ります。

 

「まぁ、父も酒を飲まなければおとなしい人でした。というより、無口でしたね。話し掛けても返事もしないような。母は気性が強く、父の祖父母のことを随分と嫌っていましたね。最初の頃は同居していましたが、祖父母と仲が悪いことが原因で別々に暮らすようになったようです。私は祖母にかわいがられていたので、家を出る時に泣いたことを覚えています」

 

「こんなこともありました。私が幼稚園の頃に、母親がノイローゼ気味だったこと。今でも覚えてます。母親が電気の付いていない暗いリビングでぼっとしながら、ボソボソと何かつぶやいていたのを。私が声を掛けたら、『何にも面白くない』って答えてくれましたけど」

 

「父の口癖で、『誰も俺のことを構ってくれない』というのもありました。私が中学生の頃の話です。お酒を飲んだ時の口癖でしたね。そのときの私は何を言っているのかわかりませんでしたが、今はそんな父の気持ちがよくわかります。少しでも良いから母に気に掛けて欲しかったのでしょう。父は」

 

1時間ほど話を聞いた後に私はFさんに、

 

「Fさんの小学校の時の楽しい思い出はありましたか?」

 

と質問をしました。

 

「小学校の時はよく祖父母の家に泊まりに行きました。従兄弟と田舎を走り回ってましたね。あの時は楽しかったですよ。なんか両親から解放されたような気がして」

 

彼の話と児童期の位置にあるカードの意味が読み取れてきました。

私はそこで、

 

「もしかしたら、お母様の目をいつも気にしていたのかもしれませんね。Fさんはいつもお母様に対して、気を使っていたのでしょう。お父様は気性の強いお母様に普段は何も言えなかったのでは?」

 

Fさんは、

 

「そうなんです。私はいつも母親の顔色を伺っていました。母は自分の気に入らないことがあると、いつも顔に出します。私は本当にそれが嫌でした。そんな母に対して父は知らんふり・・・・・・そうなんです、私はそんな母が大嫌いでした。大人の癖に、我侭なところが。自分でも忘れていた記憶なのに、よくわかりますね」

 

と驚いていました。

 

そうです。

Fさんの夫婦関係がこじれている原因は「Fさんの幼少期にも原因」があったのです。

 

彼は愛情のある家庭を知りません。

どちらかというと、『未熟な大人の犠牲』になった人です。

(もしかしたら、Fさんの奥様も同じような環境で育った人かもしれません)

 

私はFさんに、

 

「年を重ねるに連れて、自分が父親に似てきたような気がしませんか?」

 

と尋ねると、

 

「そうなんですよね。たまに父と飲みますが・・・・・・・痛いほど父の気持ちがわかります。小さい頃は、父を悪者にしていましたが、母も随分と問題のある人だと私も大人になるに連れて感じることもあります。でも、どちらにしても私も自分の子供から、私が父や母に思った不満を持たれているかもしれません。そう考えると情けないですね」

 

と落ち込まれていました。

私はFさんに以下のようなアドバイスをしました。

 

「離婚するかどうかの決断はもうしばらく待って、Fさん自身の人生をあらためて見直すことからはじめませんか?Fさんは幼少期に刺さった心の棘が原因で、あまりにも家族に対する理想が高くなっています。それは奥さんも同じなのかもしれません。その理想を大事に抱えている限り、Fさんの中にある不満は益々強くなるばかりです。ここは少し考え方を切り替えて、家族のことは一旦置いといて、Fさん自身が本当に望む人生について考えてみませんか?それから夫婦そしてご家族のことを考えても良いのでは」

 

Fさんはうつむきながら

 

「でも、私は暖かい家庭が欲しかっただけなんですよ。家族を持てば、私の人生はやり直せると信じて、仕事も一生懸命がんばったのに・・・・・・・どうしてこうなってしまうのでしょうか。こんなささやかなことさえ、叶わないなんて」

 

と涙声で感情を吐き出します。

 

「わかります、Fさんはがんばりましたよ。本当にがんばりました。でも、わかりましたよね、これで。Fさんが本当に求めていたのは、Fさんのご両親からの愛情です。Fさんは、自身のご家族にFさんの親御さんから与えられるはずだった愛情を求めてしまったのです。それがご夫婦の歯車を狂わせてしまった要因の一つかもしれませんね。でもそれは哀しいお話ですけど、無理なのです。奥様はFさんのお母さんの代わりにはなれません。Fさんの中にあるお母さんへの憎しみがある限り、ご夫婦の中が円満になることはないでしょう。でも、大丈夫ですよ。少し人生の目的を軌道修正しましょう。それから少しづつ考えるのも、今の苦しみから抜け出す一つの方法ではないかと思います」

 

という私の話にFさんは、

 

「なんとなくわかりました。私がどうして家族に対して不満を持ってしまったのか。そうなんです。私は自分の親に求めていたものを妻や家族に求めていました。妻が私のことを大事にしてくれない・・・・・・と拗ねていたんですね。なんか子供みたいですね」

 

とスッキリした顔をされていました。

 

そんなFさんから後日メールを頂きました。

 

「先日はありがとうございました。

Fです。

 

なんだか心の中がスッキリしたような気がします。

子供の頃に満たされなかったことが原因という指摘は本当に身に沁みます。

 

妻や家族に不満を言っても何も解決しませんね。

 

妻は母親でもありません。

私の生まれ育った家族と私の作った家族は違うこと。

 

当たり前のことにようやく気づきました。

自分の問題は自分で解決するしなければなりませんね。

 

後、家系の問題についての分析でも色々と思い当たることもありました。

本当に怖い話だと思います。

 

父や母、そして祖父母も色々と苦しみがあったということ。

この苦しみを子供たちに負わせないように私も人生をやり直したいと思います。

 

色々なことを気づかせていただきました。

本当にありがとうございます。」

 

Fさんは今、小さい頃に欲しかった『戦艦大和』の模型作りに夢中だそうです。

(また模型作りを通して、『お子さんとの会話も増えた』と喜びの連絡を頂きました)

 

『幼少期に受けた傷は大人になっても消えない。とくに愛情に関しては』

 

Fさん、これからの人生で失ったものを少しづつ取り戻されて下さいね。

応援していますよ。