毒親 毒親情報サイト

分析事例(2) バーストラウマ

心の棘 分析例 第2回 バーストラウマ(Hさん、福岡市在住 29歳)

 

「小さい頃から親の干渉にうんざりしていました」

 

・美術大学に進学を希望するが反対される

・公務員が一番安定しているとの理由でデザイン会社への就職を諦める

・一人暮らしを反対される(一人暮らしをするなら絶縁すると脅される)

・毎週、電話連絡することを要求される

 

彼女は長年、ご両親に干渉され続けることで精神的に疲れきっている様子でした。

 

「もう、親と縁を切ってしまわないと、自分の人生がおかしくなってしまうような気がします」

 

という切実な悩みに対して、さっそく『心の棘 カード』で彼女の中にある心の棘の分析を行うことにしました。

 

まず、彼女の中にある本当の声を知るために『セルフコミュニケーションスプレット』で心の器に流れているものを引き上げてみることにしました。

 

写真11.JPG

 

カードの図柄をヒントにして、彼女に次々と質問を投げかけます。

 

「13歳〜18歳まで『信頼』という言葉で何か思い浮かべることがありますか?」

「7歳〜12歳までに『安らぎ』について思い出すことは?」

「4歳から6歳の間のご両親との関係は?」

「あなたが1歳から3歳の頃のお母さんの様子は?」

 

彼女の心の器(潜在意識)の中にある出来事が、次から次へと浮かび上がってゆきます。

 

「祖父母のことが好きではありませんでした」

「絵を書くことで癒されるような気がしました」

「絵を書いていると母によく邪魔をされたことがあります」

「母に絵が下手だと言われて傷つきました」

 

そして、

 

「私が絵を書き始めたのは、祖父母や両親が『忙しさを理由』にして私をほったらかしにしたことが始まりだったような気がします。誰も構ってくれないなら、『楽しい世界を絵で書いてみよう』って思ったような記憶があります」

 

という言葉が彼女の口から出てきました。

そんな彼女に、

 

「そうなんですね。きっかけはどうであれ、あなたが絵を書き始めた心の動機は表現者としては、とても素晴らしい出発点だと思いますよ。あなたが楽しいと思う世界はあなたにしか創造できません。著名な芸術家は、すべからず自身の世界観を必ず持っています。あなたはすでに幼少期の段階で、自身の世界を確立されていたようですね」

 

とアドバイスすると、

 

「そういう考え方もできるんだ。親にほったらかしにされたかわいそうな子が絵に逃げ込んだ......と考えなくて良いのですね。そうか、自分の楽しい世界を私は幼少期の頃から持っていたんだ」

 

と笑顔を浮かべていました。

しかし、そんな彼女の顔が曇るような話がありました。

 

「あなたがお腹にいる時期に、少し気になることがあります。何かあなたのことを否定するような話をご両親もまたは祖父母から聞いたことがありますか?」

 

と質問をすると、

 

「はい。私の両親はずっと男の子を望んでいたようです。私がお腹にいる時は、『男の子に語りかけるよう』に父が母のお腹に話しかけていたようです」

 

私は分析シートに彼女の言葉を書き綴りながらも、次の質問を投げかけました。

 

「あなたは女性らしくすることを苦手だと感じますか?」

 

すると彼女は、

 

「はい。ずっと男の子のように振舞ってきましたし、男の子に憧れていました。それが何か関係あるのでしょうか?」

 

私は彼女に対して、

 

「お腹の中にいるときのあなたはとても傷ついていたようです。あなたは不思議に思うことがあるかもしれませんが、胎児もちゃんと意識を持っているという説があるのをご存知ですか?」

 

彼女はとても驚いた顔をしていました。

 

「お腹の中にいる時のあなたは、女の子なのに自分のことを男の子だと思い込んでいたようですね。この世に誕生してから、戸惑いを感じたでしょう。大人たちはあなたを女の子として扱うことに。でも、あなたは自身のことを男の子だと思っている。お父さんがあなたに繰り返し、男の子だと言ったことが原因で」

 

すると彼女は急に涙を流し始めました。

 

「少しづつ思い出しました。私は男の子として生きなければならない……と、なぜか小さい頃から思っていました。女の子なんて嫌だ……とです。そのことにとても苦しんだ自分がいました」

 

彼女が落ち着くのを私は待ちました。

しばらくして、

「これで心に引っかかっていることの原因がわかりましたね。原因がわかれば、後はそのことと向き合うことが大事です。怒りたいのであれば怒りましょう。泣きたいのであれば泣きましょう。これまでのあなたはずっと自分を抑え込んできました。今、涙を流しているあなたが感じている気持ちこそが、あなたが心の奥底に抑え込んでいた感情です。その気持ちをきちんと受け止めてあげましょう」

 

と伝えると、彼女は黙ってうなづいていました。

 

「これからは自分の気持ちを大切にしてくださいね。大人だから……と言って我慢することは良くありません。心の器に感情のゴミを貯めることになりますから。まずは、自分が何を感じて何を思うのかを受け止めることからはじめましょう。自分のやり直しです」

 

私がそう言うと……彼女はようやく明るい笑顔を取り戻しました。

 

彼女の分析を通じて私も学ぶことがありました。

 

心の棘は自然に消えて無くならない

自身が棘の存在に気づき、抜くことでしか消えることはない

 

心の棘の存在に気づいた彼女の未来に何が起こるのか。

今、彼女は心の器ワークをとても楽しみにしているようです。

 

彼女はこれからどのように変わるのか?

私もとても楽しみにしています。

 

写真14.JPG